〜略歴〜
九州大学 大学院農学研究院 ・ 教授(農博、博士(工))1983年 東京大学農学部卒業、1988年 東京大学大学院農学系研究科博士課程修了(農学博士)、同4月学術振興会特別研究員、同9月McGill大学(カナダ)化学科博士研究員、 1992年 森林総合研究所研究員、1993年 同研究所主任研究官、2000年 博士(工学)京都大学、2003年 九州大学大学院農学研究院助教授、2005年 バイオアーキテクチャーセンター・教授、 2010年 改組により現職 現在に至る
(この間Jena大学(ドイツ)客員教授、中国・武漢大学客座教授、静岡大、金沢大、東京大、農工大非常勤講師などを歴任)受賞:1996年第二回セルロース学会賞、平成17年度繊維学会賞、2010年 国際木材科学アカデミー会員
専門:生物ナノ材料工学、高分子物理化学、多糖化学(Bio-Alchemy)
趣味:映画・音楽鑑賞、熱狂的長島終身名誉監督ファン
私(教授・近藤)は、「水と生物機能を用いるバイオ錬金術師」と呼ばれることを目指しています。一般に生物材料の構造制御は困難ではありますが、構造構築は一連の低エネルギー型プロセスで進行します。また、生物体あるいは生物由来の構造材料は、ナノ/マイクロそれぞれのサイズで制御された階層構造を有しています。したがって、生物の生産機能を制御して、任意の形状やパターニングをもつナノ/マイクロ3次元構造制御材料を水系で構築することは、材料創製における自然にやさしい究極のデザインとなるわけです。
そこで我々は現在、ある種の微生物や細胞をナノマシンとして用い、それらが生産するナノファイバーを、ナノからマイクロメートルに至るまでの任意のパターンをもつ土台(足場)の上に積み重ねていくことで3次元構造体を構築させるというビルドアップ型構造構築法を提案しています。微生物への遺伝子導入により、マシンの改良も可能です。また、逆に大きなサイズの生物素材をトップダウン的に種々のサイズの構成ユニットに分解し、それを再構築させて新たに任意のナノ/マイクロ構造制御体を創製する方法も提案しようともしています。さらに、それらの3次元構造と性質との相関を明らかにし、最終的に機能材料化するまでを大学院の学生諸君と一緒に昼夜研究しています。まさに、この研究室の研究は、高分子と生物体とのナノスケールでの相互作用を利用して、新たな構造体を生み出そうとするナノテクノロジーを基にしつつ、境界分野の融合した独自のバイオマテリアルデザインへと展開していきます。<平成22年4月1日からの所属について>
九州大学は大学院重点化に伴い専攻組織が大幅に改変され、さらに平成22年度より専攻組織が大きく再改変されました。
バイオマテリアルデザイン研究室は、5年前に学内教育研究戦略拠点として生物生産・生物材料・生物機能をキーワードとした「生物機能デザインに基づいた物質生産プロセス」の構築を目指して設立されたバイオアーキテクチャーセンターの研究室として誕生しました。
今回の改変で本研究室は、大学院生物資源環境科学府の生命機能科学専攻の研究室に所属が変わりました。組織はかわるものの、バイオマテリアルデザイン研究室は、これまでどおり新たに生物材料を設計・創製する材料分野を担っていきます。